河合亞美と藤間絢也の、日々の日記です。
by ami-aya
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着物の着こなしと所作

女優になった時、
私のデビューを記事に書いてくれた
芸能記者の方が私に言った。

「踊りは?」

「あ、バレエとジャズダンスを。」と元気に答えた私。

「だめだよ。役者になるなら、日本舞踊をやらないと」。

「はあ。」

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あの時に。あの時にこのことを知っていれば!

あの時はわからなかった!!
「日本舞踊をやらないと」の意味が
全然わかってなかった!
っていうか、記者のHさん!(その後もいろいろお世話になりました)
もうちょっとしっかり「意味」を教えてほしかったわっ!(T^T)


「日本舞踊をやらないと」の意味は・・・
「着物の着こなしがよくなる」
「将来時代劇に出る時に、踊る場面があるかもしれないから」
くらいのことにしか思ってなかった。


んで。


「着物は着付け教室で習えばいいしー。
踊る場面なんて、そういう仕事がきてから、
突貫工事でイケちゃうよ。
元々バレエをやってるから、踊ることに抵抗ないし、
あんなチントンシャン、すぐできるに決まってるしね♪」


というところに考えは落ち着き、
有言実行タイプの、男らしい私は
22歳の時に、ちゃんと着物の学校に通い、
一通り、「自分で着物を着る」技術を学んだ。


これはもちろん、大変役に立ち、
その後、
「自分で着物が着られる人」が前提の仕事や、
浴衣でのリポートをする時や、
京都の撮影所の衣装合わせのときなどに
大活躍してくれた。
殺陣を習い始めた時の稽古着の帯結びなども楽だった。



確かに・・・
「着方」と「仕組み」を知ってるだけでもかなり大きかった。
「知らない子」が圧倒的に多かったから。


ちゃらちゃらしたバブル時代の余波で一杯の
当時の軽い芸能界にあっては、
「着付けを習った」というだけで
「偉いねえ!」と評価され、
「着物が似合う」と褒められ、
「私は、着物は平気♪」といい気になり
着物関連については、制覇した気分になっていた。


大間違いだと気がついたのは、
本当に最近のことだ。


日本舞踊を始める前に、自分で着物を着た写真と
最近の写真を見比べる。


この差!!!!


日本舞踊を始める前の写真は
プロの着付けだ。
でも!姿勢が悪くて!ポーズがなってない!
「着物を着るからだ」になってないから
かっこ悪いなんてもんじゃない!!


そして、昔の「自分で着た」時の写真なんて、
見られたもんじゃない。
へったくそ。
何この、襟!帯!



あまりの、過去のみっともない自分の姿に
愕然とすることしばし!!



最近の写真は、自分で着た色無地の写真。
何気ないスナップだったり、
後輩のお弟子さんが、師匠と笑ってる私の写真を
遠くから撮ってくれたものなどもある。


写真を撮られていることに気づいてない私、
つまり、「ポーズ」をとってない私でも・・
我ながらその着物姿はとても清清しく、
しっかりしたものになっている・・・・。



ううわあああ~~。


昔の「カッコ悪い着物姿の私」!
これで着物を制覇したような気分になっていた私!
オマエ~~~恥ずかしいぞ~~!!
タイムマシンに乗って、ぶっ飛ばしたい!!!!




日本舞踊は、美しい姿勢を教えてくれる。
というか・・・・
着物の仕組み、着物の着方、は、
着付け教室で十分だと思うけど、
美しい姿勢と動きは、日本舞踊以外では身につけられないんだ、
ということが今更わかった次第だ。


あの若き日に「女優になるなら日本舞踊やらないと」は
そういうことだったのだ・・と
本当に今更すべてがわかった。


今の私の、着物の着こなしと所作が
あの頃の私にあったら・・・・
と思うと・・・・
くやしさと恥ずかしさが入り混じったような気分になる。



今、女優を目指してるひと。
今、女優になったばかりのひと。
若いあなたたちに言いたい。
日本舞踊は、絶対にやりましょう。
それも1年2年かじっただけじゃ意味はありません。
ずっと、続けないと。
続けてこそ意味があります。
コツコツでもいいから、続けましょう。


女優さんで
日本舞踊をきちんと勉強した人か
そうでない人か、は
画面に出ます。確実に。


それから、所作は付け焼刃では無理です。
絶対に無理。
いざ、チャンスがきたときに
「ちょっと習えばいいや」では済みません。


芸者さんの役がくるとか、
二時間ドラマ「日本舞踊家元殺人事件」で
弟子の役がつく、とか、
そんなチャンスで「踊るため」に日本舞踊を習うのではないのです。
(私自身が日本舞踊を習う意味は
その程度のためのことだと思っていたのだ・・っ・・・くっ・・
だって、それを証拠に、私が日本舞踊を習うきっかけは
芸者役のオーディション受験のためだったのだから・・・・・)



もしそういう役がきたとしても、
「チントンシャンで踊るなんて、真似事ですぐできる」
なあんて、思ったらこれまた大間違い。


「日本舞踊」を「日本舞踊らしい動き」で踊れるようになるのには
半年や一年じゃ無理無理・・・・・。



私が、自分で
「やっと、なんとなーく、日本舞踊、って呼べる踊りになってきたかなあ・・」と
思えるようになったのは、つい最近のこと。ホントに。


もちろん、ダンスやバレエをやっていたおかげで
身体を動かすことに抵抗がないので
振りを覚えれば踊ることはできる。
入門1年に満たない時期に、
かなり背伸びした演目を、覚えて、踊っていた。
つまり、振りの順番さえ覚えれば、
確かに、日本舞踊は、誰だって踊れる。


しかし、「自分の踊り」が
「日本舞踊」になるには・・・・


本当に時間がかかる・・・・・・・・・・!!!!



そうそう。最後にもう一つ。
「歩き方」も。


師匠と仲良しの歌舞伎役者さんが以前、私におっしゃったこと。
「最近の女優は、日本舞踊をちゃんと勉強してないから
歩けないんだよね。綺麗な人でも歩くとひどい。
着物を着て、歩けない、って、なんだ?ってもんだよ。
あみちゃん、歩けるって大事なんだよ。
踊りをやっててよかったね。ずっと頑張りなさいよ。」



いつの間にか・・・普通に歩けるようになった・・・。
これも踊りのおかげ・・・・。
でも昔のビデオを見ると
私の着物での歩き方はひどい・・・・。




私の犯した失敗を、若い女優のみなさんには繰り返してほしくない。
遊ぶ時間を少し減らして、
日本舞踊を習いましょう。
その結果、成果は、5年後10年後に出ます。


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着物を着て飲み会に行ったとき。

「あみさん、辛くないですか?」

「え?なにが?」

「着物」

「全然苦しくないよ。沢山食べても苦しくないし。」

「何時から着てるんですか?」

「朝九時から。もう12時間着たままだよ」

「ええええっ!まじっすか?」

「だって、踊りのお稽古の時にも
10時間は着たままだし、
ましてコレを着たまま、転がったり、跳んだりするんだよ?」


「へえ~~日本舞踊ってすごいんですねえ!」



そうね。それは認めるわ♪


日本舞踊って、スゴイのよん♪♪
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by ami-aya | 2006-11-11 12:27
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